通関業をやっているとよく聞くザンパチ。
従業者として、これができるかどうかは一つのステータスみたいな気がします。
何のことを言っているかというと、関税暫定措置法8条 加工又は組立てのため輸出された貨物を原材料とした製品の減税の事です。略して暫8。
暫定措置法なので一時的な法律のはずですが、マイナーチェンジしながら更新され続けています。昭和44年からあるらしいです。
概要
日本から送った生地などを使用して海外で洋服を作ったとします。
これを輸入した場合、関税がかかりますが、洋服全体の関税額から使用した生地分の関税額を差し引くことができるというものです。
原則輸出から一年以内に輸入されるものが対象です。
日本製の生地なのに、輸入して関税がかかるなんてナンセンス!
日本の産業を守るための関税って言っているのに日本の生地を使ってそれに関税がかかったら意味ないじゃない
というところでしょうか。まぁ、生地が日本製である必要はないのですが。。
適用にあたっては、まず輸出時に、加工・組立輸出貨物確認申告書、契約書を提出して、税関から確認を受けます。
輸出する時点で、この生地は加工されて戻ってきますよ。
これくらいの数作る予定ですよ。
輸入の時は暫8適用したいですよ。
という申告をするわけです。
これの確認を受けたものを輸入の時に使用します。
計算の方法を簡単に書くと、
減税額=製品全体の関税額×輸出原料の課税価格(相当額)÷製品の課税価格
つまり、輸出した原料分の関税額を減税する計算です。
実際の計算は結構複雑で評価があり、複数品番があり、複数欄があり、税金の回りくどい計算があり・・・。と面倒なことが多いので敬遠されがちです。
パズル解いているみたいで楽しいんですけどね。
その他
暫8はあくまで減税なので、現地でかかった加工費用や、輸出したもの以外の資材費等については関税がかかります。衣類関係は10%前後の関税がかかりますので、結構な税金になることもあります。
特恵、EPAが利用できると関税FREEになるところもあります、各EPAの適用には、自国関与品も対象になるので、適用できるときはそちらを使うことになると思います。
ただ、EPA適用にあたって、衣類関係の原産地規則は細かく、EPA適用できるかどうかの判断は難しいところです。
上手に併用していくことが求められるかと思います。
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